研究のまとめ

成長ホルモンの投与手法による差異に関して

背を伸ばすと言えば、成長ホルモンを連想します。治療に用いられることもあります。ご両親はまず成長ホルモンに関する正確な知識を身につけなければいけません。成長ホルモンの投与方法には、注射で投与する場合と舌下投与型のスプレー剤で投与する場合があります。両者の違いも理解するようにしてください。低身長の治療に取り組んできた15年以上の経験でまとめた成長ホルモンの利用価値に関して述べておきます。

  • 伸び盛りの時期(安定伸長期~よく伸びる2年)で、自己成長ホルモンが分泌されている子供には、成長ホルモンの注射は無効であった。成長ホルモンの舌下投与スプレーは、舌下投与する時刻により効果を示すことがあった。
  • 背の伸びが止まりかけている時期には、成長ホルモンは有効であった。ただし、注射と舌下投与スプレーでは、効果に差異があった。
  • 背の伸びが止まりかけている時期に、成長ホルモンを注射で投与すると、最初の1~2か月で2~7mm伸びることがあるが、その後はすぐに止まってしまい、以後は、にっちもさっちもいかなくなるのが通常であった。ただし、初歩的な再生医療を応用した特別な方法で伸びを挽回させることができたこともあった。
  • 背の伸びが止まりかけている時期に、成長ホルモンの舌下投与スプレーを利用すると、その後、半年から2年、伸び続けることがしばしばであった。
  • 注射と舌下投与スプレーによる効果の差異は、成長ホルモン注射が血中に持続的に成長ホルモンを送り出すのに対し、舌下投与スプレーは、血中に瞬間的濃度ピークを作りだすことによると推定された。つまり、注射による投与では、肝臓等で成長ホルモンが変換された結果のIGF-1の作用が中心となり、骨端線よりも筋肉に強い作用をあらわすと同時に、骨の成熟を促すことによる骨端線閉鎖が進行するのに対し、舌下投与スプレーでは、瞬間的高濃度により、IGF-1に変換される前の「成長ホルモンそのもの」が骨端線に働き掛けるから、と推定された。このことは、成長ホルモンの生理的体内動態(著しい濃度上昇と濃度下降の繰り返し)を考え合わせると興味深い知見である。
  • 腎臓病やベーチェット病などでステロイドを投与されている子供の場合は、成長ホルモン投与は、注射、舌下投与スプレーとも著効を示した。

低身長治療外来

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