加齢に伴う衰えと成人成長ホルモン分泌不全症
加齢に伴う衰えと成長ホルモン
人は加齢に伴い、次のような現象(症状)を感じます。
- 疲れやすくなった
- 物事に取り組むのが億劫(おっくう)になった
- 運動能力が衰えた
- 活動するのが面倒くさい
- 見た目の姿が衰えた
- 肌がたるみだした
- 肌が乾燥する
- 抜け毛が目立つ
- 家に閉じこもりがちになった
- 坂道がしんどい
- 精力、性欲が衰えた
- バストのハリがなくなった
- 太りやすくなった、運動しても痩せない、内臓脂肪が増えた
- 骨がもろくなった
一方、成人成長ホルモン分泌不全症という病態があり、その症状として
- 易疲労感
- スタミナ低下
- 集中力低下
- 気力低下
- うつ状態
- 性欲低下
- 皮膚の乾燥と菲薄化
- 体毛の柔軟化
- 体脂肪(内臓脂肪)の増加
- 除脂肪体重の増加
- 骨量低下
- 筋力低下
などが報告されており、加齢に伴う衰えの症状と多くが類似します。
(参照:「成人成長ホルモン分泌不全症診断の手引き」厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業間脳下垂体機能障害に関する調査研究班平成24年度総括・分担研究報告)
成長ホルモンを投与したら
当院では、2000年ごろから25年にわたって、加齢に伴う身体の変化で悩む人に対する健康管理指導の一環として、成長ホルモンを使用してきました。その症例数は、2025年末の時点で、5,078例です。
診療においては、「疲れやすい」「意欲が高まる」などの改善の程度を具体的に知るために、診療ごとに詳細な聴取活動を行っています。その結果、個人差はありますが、次のような身体変化があることをとらえています。上記の調査研究班が記した症状の改善を含んでいますが、それ以外の身体変化もあり、また改善の程度を日常生活の中で判定しやすいように具体的症状の変化を聴取していますので、後学のため掲載します。
- 物事に対して、億劫(おっくう)感がなくなり、すっと取り組むようになる
- 「出歩く」「運動を始める」などの活動性が高まる
- くよくよしなくなり、ポジティブ気分が高まる
- 疲れなくなり、「あの坂道がしんどい」「階段がつらい」が減る
- 爪が伸びるのが早くなり、抜け毛が減り、髪のボリューム感が出てくる
- 肌のハリが回復し、肌にもっちり感が出てくる
- 運動したら疲れていたが、それより長い時間運動できるようになる
- ゴルフの飛距離が伸びる
- 家での閉じこもり気分が低下し、「デパートに行きたい」「海外旅行に行きたい」という気分になる
- 面倒になって、明日まわしにしていた仕事を今日中にやろうという気分になる
- 放置していた庭の草むしりなどをしたくなる
- 家族サービスが苦でなくなる
- タクシーの利用回数が減る
- 夜中に1回、目が覚めていたが、覚めなくなる
- 夜間に目を覚ます回数が減り、眠りが深くなる
- 熟睡感が高まり、朝から元気になる
- バストのハリが変化する(注:乳腺が張って痛いという副作用になる場合もある)
- 人間ドックで測定している骨量が増加する。
- ウェストがくびれてくる
- 筋トレしたときに筋肉が発達しやすくなる
- 精液量が増える。性的意欲が高まる
- コロナ感染後の倦怠感、脱毛がなくなることがある
- 採卵・体外受精の場合の卵子のグレードが上がる
- 自然妊活をしてもダメであきらめていたが、突然妊娠することがある
- 1~2㎝以内で背が伸びることがある(関節間隙の水分量の増加によると思われる)
- 膝関節が楽になる(関節間隙の水分量の増加によると思われる)
- 身体の柔軟性が高まる(腱の弾性繊維への作用と思われる)
(上記は、当院のカルテで証明されます)
当院の治療経験において、成長ホルモンは、成長ホルモンそのものが血中に一瞬の高濃度になって働きかける作用(IGF-1は変化しない)と、肝臓でIGF-1に変換されたのちにそのIGF-1により持続的に働きかける作用がやや異なることを実感しています。研究班の皆さまには、さらに研究を深めてほしいものです。
当院では、注射薬である成長ホルモン(承認医薬品)を診療所内で調剤し、舌下投与スプレー剤として使用しています。
実感のパターン
成長ホルモンの舌下投与スプレー剤を使ったときの作用の感じ方は、大きく個人差がありますが、平均的には、次のようなパターンで感じられます。
- 使い始めた直後から、「ポジティブになる」「よく眠れる」になる
- 4~5日する頃に、「爪が丈夫になる」「抜け毛が減る」がわかる
- 2~3週間で、「活動性が高まっている」「疲れにくくなっている」「バストのハリが変わってきた」がわかる
- 1~2か月で、「太りにくくなった」「肌質が良くなった」「膝関節が楽になっている」「筋肉が発達しやすくなっている」がわかる
- 3か月以上で、他者から「イキイキしていて、見た目も若返ったね」と言われるようになる。
注:医療における効果は、100人中何人にこの効果が表れる、という確率論があります。最もよく効くと言われる医薬品(降圧剤など)でも、80%くらいの有効率です。個人差がありますので、ご留意ください。
副作用に関して
用量は適正使用の範囲で個別に調整し、必要に応じて検査・経過観察を行います。副作用リスクはゼロではないため、診察時に個別にご説明します。初回投与時の動機、めまい感、継続投与時の乳腺腫脹(稀)、大量長期投与をしたときの糖尿病、手根管症候群などがありえます。舌下投与剤においては、大量長期投与にはなりません。なお、乳がんの手術後の人には処方しないことがしばしばです。
診療所内で個別に舌下投与剤へと調剤した場合は、未承認医薬品状態となり、また、適応外使用することもありますので、原則的に副作用被害救済制度の対象になりません。
ご予約・お問い合わせ
成長ホルモンの処方は保険適応外です。費用に関しては
1ヶ月用¥22,000(税込)、3ヶ月用¥63,800(税込)、診察料が別途¥2,200(税込)です。
