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メディカルサロン風本真吾の訓え

軽く見てはいけないこと14

この世の中には、病気の人と病気でない人のどちらかしかいません。病気の人に対して、医師は「治療する」という強いノウハウを持っています。そして、病気でない人に対しては、早期発見を謳って検査を行い、「あなた、ぴんぴんしているけど、実は病気ですよ」と語ることを仕事としています。病気といえるのか、いえないのかわからないゾーンに対してまで、「病気ですよ」ということを仕事としています。

病気でない人は、ある日突然、「あなた、実は病気ですよ」といわれることを望んでいるのではありません。病気にならないことを望んでいるのです。どうしたら病気にならないのでしょうか?それを研究するのが、健康管理学の立場です。

病気にならないためには、日常生活上「軽く見てはいけないこと」がたくさんあります。ついつい見過ごしがちですが、将来的に健康上の重要問題となる事象を取り上げてみました。

目覚まし時計のセット時間

短い睡眠時間でも気持ちよくパッと目覚めるときがあります。逆に、長く寝たはずなのに、「目覚めが悪い。まだ眠っていたい」という気分になることもあります。目覚めの気持ちが良いのを「良質な睡眠」といい、目覚めの気持ちが悪いのを「悪質の睡眠」といいます。
なかなか寝付けないこともあります。せっかく眠りについたのに、3~4時間で目覚めてしまうこともあります。これらは、「就寝前後失調」とでもいうのでしょうか。
「お酒を飲むと早く寝つける」という人がいます。「ある本を読むと早く寝つける」という人もいます。「あるテレビ番組を見ると寝つける」という人もいます。「お昼ごはんを食べたら眠くなる」という人もたくさんいます。これらは「習慣性就眠」とでもいうのでしょうか。

さて、夜遅くまで仕事が続いて睡眠時間が少ない、というケースは誰もが経験していることと思います。睡眠不足が続くと免疫力の低下が見られるので要注意です。「免疫力が低下する」といわれたら3つの事象を連想してください。

1つ目は、「体内でガン化した細胞を処理しにくくなる」です。人体内ではもともと1日に3000個以上の突然変異が芽生えています。それらの居残りがガン細胞。居残らないように処理するのが免疫力です。突然変異部分を修復するP53遺伝子や、細胞そのものを攻撃するNK(ナチュラルキラー)細胞が活躍していますが、睡眠不足により両者の機能は低下します。
2つ目は、「体内の菌やウイルスが侵入して増殖しやすくなる」です。風邪を引きやすくなる、怪我したところが化膿しやすくなる、ウイルスが侵入して脳炎を発症するなど思わぬ重症の病気にかかることもあります。
3つ目が、「体内に常在している菌やウイルスが活性化する」です。「熱の花」といわれる口唇ヘルペス、陰部ヘルペスや帯状疱疹は、体内に常在しているヘルペス・帯状疱疹ウイルスの活性化により発症します。歯周病菌や口内炎も同じです。睡眠不足が続くと歯周病や口内炎がなかなか治りません。また、怖いのは肺の奥深くに常在している肺炎クラミジア菌です。この菌は免疫力が低下すると増殖して肺から脱出。血流に乗って心臓を取り巻く冠動脈の内皮細胞に侵入し、そこで増殖して、動脈硬化から心筋梗塞をもたらします。過労死の主因です。

睡眠不足というのは、睡眠時間が少ない状態ですが、睡眠時間を十分に取っているのに、起床時に疲れが取れていない、起床時の体調が悪いという場合があります。それは睡眠失調といわれます。睡眠不足も睡眠失調も健康管理の大敵であることは、言うまでもありません。

良質の睡眠をとる上で把握しておいて欲しいのが、睡眠周期のことです。眠りに就いたら、深い眠りと浅い眠りが交互に巡ってきます。深い眠りをノンレム睡眠、浅い眠りをレム睡眠といいます。レムというのは、RapidEye Movement(すばやい目の動き)の頭文字をとったものです。
レム睡眠中は眼球が左右にすばやく、細かく振動するように動いています。レム睡眠中の人を瞼をそっと開いてみると、まさに眼球が動いていますが、その人はパッと目を覚まします。レム睡眠中は眠りが浅いですから、ちょっとした刺激で目を覚ますのです。
レム睡眠中は脳内の記憶の整理を行っています。この時間帯に夢を見ることがあります。レム睡眠中に目を覚ますと、パッと目を覚ますことができます。

一方、ノンレム睡眠中の人の瞼をそっと開けてみると、眼球が左右にゆっくり動いています。深い眠りですから、この程度の刺激でその人は目を覚ましません。
ノンレム睡眠中は、筋肉の疲れをとっています。ですから、筋肉が疲れていないと深いノンレム睡眠になりません。「眠りが浅い」と思っている人は、日中の運動量を増やして、筋肉疲労を大きくしてください。「眠りが深くなった」と実感できるはずです。ノンレム睡眠中に目を覚ますと、しんどいまま目を覚ましたような状態になり、最悪の気分になります。

眠り始めるとすぐに眠りは深くなっていき、1時間後に深さはピークを迎えます。そして徐々に浅くなり、2時間後に1回目の浅い眠り=レム睡眠を迎えます。夜、眠りに就いて1時間後に起こされるときわめて強い体調不良を感じるのは、ノンレム睡眠=最も眠りが深い瞬間だからです。眠りに就いて2時間後くらいに起こされると、不思議とすっと起きられてしまいます。1回目の浅い眠り=レム睡眠中だからです。

レム睡眠は10~15分くらいです。1回目のレム睡眠が終わると、再び睡眠は深くなり、ノンレム睡眠へと移行します。2回目のノンレム睡眠はおよそ1時間30分です。ということは1回目のレム睡眠のあと、1時間30分後に次のレム睡眠を迎えるのです。以後は1時間30分周期を繰り返します。
この睡眠周期には個人差があります。ですから、「自分の睡眠周期」を把握することが健康管理上、大切になります。目覚めは必ず、レム睡眠中にしたいものです。

目覚まし時計をセットしないで、自然に目覚めるときは、何周期目かのレム睡眠で目を覚ますのが普通です。しかし、目覚まし時計をセットしたときは、ノンレム睡眠でも容赦なく目覚まし時計は鳴り響きます。自分の睡眠周期が把握できていれば、本能的に目覚まし時計のセットは、自分のレム睡眠時間帯に合わせることができるようになります。

睡眠周期、睡眠失調のことを軽く見てはいけません。本章をよく勉強して、「目覚まし時計をセットするときは、レム睡眠時間を見通してセットする」にチャレンジしてみてください。

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院長:風本真吾

略歴

平成元年 慶應義塾大学医学部卒業
2年間研修医を経て同医学部内科大学院へ
平成4年 四谷メディカルサロン(現四谷メディカルクリニック)開設
現在に至る