思春期以後の猛烈な運動・大動脈瘤のチェックについて

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メディカルサロン風本真吾の訓え

軽く見てはいけないこと9

この世の中には、病気の人と病気でない人のどちらかしかいません。病気の人に対して、医師は「治療する」という強いノウハウを持っています。そして、病気でない人に対しては、早期発見を謳って検査を行い、「あなた、ぴんぴんしているけど、実は病気ですよ」と語ることを仕事としています。病気といえるのか、いえないのかわからないゾーンに対してまで、「病気ですよ」ということを仕事としています。

病気でない人は、ある日突然、「あなた、実は病気ですよ」といわれることを望んでいるのではありません。病気にならないことを望んでいるのです。どうしたら病気にならないのでしょうか?それを研究するのが、健康管理学の立場です。

病気にならないためには、日常生活上「軽く見てはいけないこと」がたくさんあります。ついつい見過ごしがちですが、将来的に健康上の重要問題となる事象を取り上げてみました。

思春期以後の猛烈な運動

子供の背が伸びるプロセスを学ぶ機会がありません。親は子育てにおいて、「健康に育ってくれたらいい」と願いますが、あわよくば「頭のいい子に育って欲しい」「背が高い子に育って欲しい」と望んでいるのは間違いありません。
しかし、背が伸びるプロセスを学んだことがないので、ついつい重要なミスを犯し、我が子の背の伸びが止まる頃にあわてて、「何とかできないでしょうか」と診察に連れてくることがしばしばです。背が伸びるプロセスは、予想医学エデュケーター養成講座の第5講座で詳細に教授していますので、一度は学んで欲しいものです。

子供の背が伸びるプロセスには、「よく伸びる2年」と「止まり行く3年」があります(下図参照)。

子供の背が伸びるプロセス

よく伸びる2年は性器発育の時期と一致し、平均的には、男は11歳6ヶ月、女は10歳0ヶ月から始まります。男子は「よく伸びる2年」の最終段階で声変わりを迎え、女子は「よく伸びる2年」が終了した後、6ヶ月以内に生理を迎えます。「よく伸びる2年」の始まりは、男子は睾丸がやや大きくなり垂れ下がってくること、女子はバストに何かの変化が現れることが目安です。もちろん、そのような徴候が確認されることなく「よく伸びる2年」に入ることはあります。また、声変わりがやや早く始まることもありますし、生理の開始が遅れることもあります。しかし、標準的なプロセスは知っておいて欲しいものです。

さて、「止まり行く3年」は通常、最初の1年で4~5cm、次の1年で2~3cm、最後の1年で1cmの伸びになります。よく食べて、きっちりとした標準的な生活をしている子供で7~8cm、の伸びです。女子の場合は、最初の1年の前半で生理が始まりますので、生理開始後は、最初の1年の後半の半分と、2~3cmの1年と、最後の1年しか残りません。だから、生理が始まったあとは、3~6cmしか伸びないと言われるのです。

さて、「止まり行く3年」の時期に、「もっと背を伸ばしたい」と希望してきた場合、いくつかの治療手法があります。通常7cmのところを10cm以上伸ばすことは困難ではありません。特に、生理が始まった女子は治療効果が大きく、自然経過なら通常はあと3~5cmで止まるところを7~8cm以上伸ばすことは比較的容易です。

「止まり行く3年」には、より多く背を伸ばすために、生活の注意点がたくさんあります。その1つが、「激しい運動を避ける」です。運動部に所属している子供が、治療により順調に伸びてきたのに、「3日間の合宿で血ヘドをはくほど特訓した」というのをきっかけにぴたりと伸びが止まることがよくあります。伸びを再開させるのには大変な苦労が必要になります。

激しい運動、それも途中で十分な休養なく、運動後にすぐにぐったりと眠り込んでしまうような運動は、「強い身体的ストレス」にあたります。強い身体的ストレスをかけたところ、それっきり背の伸びが止まってしまった、というケースはしばしば見られことです。
男子の場合、止まり行く3年は13歳6ヶ月から16歳6ヶ月にあたります。中学生後半から、高校生の中盤までの時期にあたり、運動部に所属している場合、猛特訓を施す時期にも重なります。子供の夢が関与しますので、「運動を中止しなさい」と指導するわけにもいかず苦労します。

背の伸びを第一に考える場合は、そのことを留意した運動量にとどめて欲しいものです。

大動脈瘤のチェック

心臓は1回拍動すると70ccの血液を送り出します。1分間に70回の心拍数がありますから、70×70=4900ccの血液を1分間に送り出しているのです。その血液は、大動脈の起始部を通過します。
ところで、心臓が拍動したら、血液はどちらの方向に送り出されるか知っていますか?上に向かうか、下に向かうか、右に向かうか、左に向かうか?

答えは、「上」です。下図を見てください。

動脈

心臓は真上に血液を送り出します。そして右腕に向かう動脈を枝分かれさせた後、クルッとUターンしながら、脳に行く動脈、左腕に行く動脈を枝分かれさせて下に向かいます。この動脈の太さは、親指ほどです。
動脈は丈夫なゴム管のようなものですが、その動脈の壁に何かの問題を含んでいたときに、その動脈は中の圧力に押されて、膨れ上がってくることがあります。これが大動脈瘤です。70歳以上の男に多いのですが、女にも発症します。中の圧力に押されていますから、血圧の高い人に発症しがちなのは理解されます。

この大動脈瘤が破裂すると・・・。一瞬の背中の痛みが生じた後、あっという間に意識を失います。そして、たいていの場合はそのまま死んでしまいます。勃起不全治療薬を使った性交後に発症することもしばしばです。「ぴんぴんコロリ」の代表格のような病気で、大動脈の直径が4cm以上になったら、かなりやばいです。

この大動脈瘤の有無をチェックするには、胸部CTの検査が一番です。放射線被ばくがイヤなら、検査時間がかかりますが、胸部MRIも優れています。リタイア後は、健康診断が簡素になることもしばしばです。「この病気のリスクはないかな」と焦点を絞って、身体を調べるのがいいです。「大動脈瘤破裂」という病名を他人事だと思わないようにしてください

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院長:風本真吾

略歴

平成元年 慶應義塾大学医学部卒業
2年間研修医を経て同医学部内科大学院へ
平成4年 四谷メディカルサロン(現四谷メディカルクリニック)開設
現在に至る