グルコサミンの予防効果、寝床からトイレへのルート

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メディカルサロン風本真吾の訓え

軽く見てはいけないこと6

この世の中には、病気の人と病気でない人のどちらかしかいません。病気の人に対して、医師は「治療する」という強いノウハウを持っています。そして、病気でない人に対しては、早期発見を謳って検査を行い、「あなた、ぴんぴんしているけど、実は病気ですよ」と語ることを仕事としています。病気といえるのか、いえないのかわからないゾーンに対してまで、「病気ですよ」ということを仕事としています。

病気でない人は、ある日突然、「あなた、実は病気ですよ」といわれることを望んでいるのではありません。病気にならないことを望んでいるのです。どうしたら病気にならないのでしょうか?それを研究するのが、健康管理学の立場です。

病気にならないためには、日常生活上「軽く見てはいけないこと」がたくさんあります。ついつい見過ごしがちですが、将来的に健康上の重要問題となる事象を取り上げてみました。

グルコサミンの予防効果

膝や関節の痛みにグルコサミン」という話をよく効きます。グルコサミンは、関節面の軟骨成分であるグルコサミノグリカンの原料になります。摂取したグルコサミンは小腸内で必要な消化を受けて、バラバラになって吸収されます。原料を口から摂取して補給するくらいで、軟骨は修復されるのでしょうか?

化学反応の基本式は
A + B → C + D

です。体内にはたくさんの酵素があります。「健康には酵素が大事だよ」などの話も聞きます。→の速度を速めるのが、酵素の役割です。
人体の場合、この化学反応は一方通行にすすむのではなく、合成したり(生合成)、分解したり(代謝)が繰り返されますから、厳密には

A + B ⇔ C + D
となります。ここにおいて、化学反応を→に進めやすいかどうかを決める因子の1つとして、AあるいはBの濃度は重要な問題になります。つまり、AやBの濃度が高ければ、反応は→にすすみやすいのです。なお、この反応は、軟骨の中に潜んでいる軟骨芽細胞の中で行われています。

A、Bは、関節面を構成するグルコサミノグリカンの原料です。C、Dは、まさにグルコサミノグリカンや同時に生産される反応産物です。グルコサミノグリカンがたくさん合成されたほうが、関節面が丈夫で厚くなるのは言うまでもありません。また、強い修復機能が働くのも言うまでもありません。

関節面は、毎日強い重力を受けて押しつぶされています。少しずつ磨り減っていくのは間違いありません。磨り減る、そして修復する、を繰り返しているのですが、加齢に伴い合成反応をおしすすめる酵素の力が弱まります。だから、関節面は日に日に劣化していくのです。
その劣化の結果が「膝が痛い」であり、その関節面をレントゲンで見ると、関節軟骨の磨り減りが観察されるのです。

では、このグルコサミンに、磨り減った関節面を修復するほどの力があるのでしょうか?それが実は不明です。しかし、経験的に「関節が痛い」という人にグルコサミンを投与すると、「痛みがなくなった」という人がたくさん現れます。磨り減った関節面で起こる炎症性の疼痛を抑える何かのメカニズムは存在するようです。だから、サプリメントのグルコサミンは感謝され、世に広く受け入れられているのでしょう。

健康管理学の立場からみると、グルコサミンは予防のための利用が優れていると思います。つまり、将来の軟骨の衰えを防止するために、早いうちから摂取しておくことが有効ではないかということです。私は、ちょうど50歳になりましたが、日々の摂取を心がけるようにしています。
加齢に伴い、足元が弱まり、背中が丸くなるという独特の姿勢になります。高齢の政治家を見ればよくわかります。脚力の衰えも関与しますが、軟骨の劣化も間違いなく関与しています。それを防止するためにグルコサミンを利用するべきなのです。

「金銭的に余力があれば、リタイア後は日々のグルコサミン」
この掛け声を決して軽く見てはいけません。

寝床からトイレへのルート

ある程度の年齢になると、就眠中に覚醒してトイレに行くようになります。最初は深夜3時から4時に一回くらいですが、やがて2~3回覚醒するようになることもあります。前立腺肥大などでも起こりえますが、その一般的なメカニズムとして、第13条で次のように述べました。

「なぜ年をとると下半身に水分がたまりやすくなるのでしょうか。主に二つの原因があります。一つは心臓の収縮力の低下です。加齢に伴い心臓の収縮力が低下して、下半身の水分を重力に逆らって上半身にくみ上げるだけの力を出せなくなっているのです。もう1つは、足の深いところにある太い静脈の弁不全です。深部静脈には静脈内の血液が逆流しないように弁がついています。加齢に伴い、この弁が壊れるのです。弁が壊れた結果、下腿静脈瘤ができる人もいます・・・」

しかし、実はもうひとつ理由があります。それは「皮下組織の保水力の低下」です。皮下組織にはヒアルロン酸が大量に存在し、このヒアルロン酸が水を吸着してゲル状物質(ゼリーのようなもの)を形成します。つまり、ヒアルロン酸がたくさんあれば、大量の水分を皮下組織に保存できるのです。そして皮膚に一定のハリを与えます。
そのヒアルロン酸を合成する細胞が、皮下に存在する線維芽細胞です。線維芽細胞は、成長ホルモンの影響を受けて活性化されます。このことを整理していくと、

「加齢に伴って成長ホルモン分泌が低下すると、線維芽細胞の活性度が低下し、ヒアルロン酸合成能力が低下し、皮下組織で保存できる水分量が減る」
という図式が成立しています。

皮下に保存できる水分量が減っているので、フリーの水が体内、特に下半身にたまりやすくなるのです。それら体勢を横にする睡眠中にどっと膀胱内に戻ってきて、夜間排尿になるというわけです。

さて、ここで健康管理学の視点から大切なのは、夜中に起きてトイレに向かう道筋、ルートです。トイレに向かうときは「寝惚けている」という状態のことがしばしばです。トイレへの道筋に階段があるなどは論外です。階段から落ちて、頭蓋骨骨折など取り返しのつかない大事故になることさえあります。ひっくり返って大腿骨頸部骨折などは日常茶飯事です。
ルート上に障害物があるのも論外です。足元に引っかかるものがあるのは、完全にダメです。日ごろは、「そんなことくらい大丈夫だよ」と自信があっても、寝惚けているという特殊事情を馬鹿にしてはいけません。もちろん、遠いのも論外です。

寝床からトイレへのルートは、決して軽く見てはいけないのです。

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院長:風本真吾

略歴

平成元年 慶應義塾大学医学部卒業
2年間研修医を経て同医学部内科大学院へ
平成4年 四谷メディカルサロン(現四谷メディカルクリニック)開設
現在に至る