尿の色と量・夜間覚醒とトイレへの往復

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メディカルサロン風本真吾の訓え

軽く見てはいけないこと4

この世の中には、病気の人と病気でない人のどちらかしかいません。病気の人に対して、医師は「治療する」という強いノウハウを持っています。そして、病気でない人に対しては、早期発見を謳って検査を行い、「あなた、ぴんぴんしているけど、実は病気ですよ」と語ることを仕事としています。病気といえるのか、いえないのかわからないゾーンに対してまで、「病気ですよ」ということを仕事としています。

病気でない人は、ある日突然、「あなた、実は病気ですよ」といわれることを望んでいるのではありません。病気にならないことを望んでいるのです。どうしたら病気にならないのでしょうか?それを研究するのが、健康管理学の立場です。

病気にならないためには、日常生活上「軽く見てはいけないこと」がたくさんあります。ついつい見過ごしがちですが、将来的に健康上の重要問題となる事象を取り上げてみました。

尿の色と量

「ある日、突然、真っ赤なおしっこが出た」
という場合、たいていは膀胱ガンです。それまでの元気で普通の生活が、ガンの闘病生活へと変わるのです。見た目にわかる真っ赤な尿は、肉眼的血尿といわれます。

膀胱ガンの治療は何といっても手術です。膀胱を丸ごと摘出してしまうか、尿道から内視鏡を挿入して、膀胱の内腔に突出したガンの塊を内視鏡ではがし取るかのどちらかです。運よく早期に発見されて、粘膜組織内にとどまっていれば、内視鏡による治療が可能です。しかし、真っ赤な血尿がでたときは手遅れであることが多く、膀胱を全部摘出することになりかねません。日常生活は相当に不便になります。
また、内視鏡で摘除しても、不思議とガンは繰り返して出現します。1~2年周期で膀胱の内腔の別の部位から、ガンが再び出てくるのです。「もぐらたたき」のように1~2年ごとに内視鏡で摘除する手術を行うことになります。

膀胱の部位の痛みがないのに、真っ赤な尿がでたときは、「そのうち治るだろう」などと思ってはいけません。真っ先に泌尿器科へ飛び込んでください。下腹部の膀胱周辺や尿道に痛みがあるときは、膀胱炎であることもしばしばですが、その場合も病院に行ってください。抗生剤の投与で簡単に治癒します。
膀胱ガンを早期で発見するには、マメに尿の検査を行うのがいいです。それも検尿スティックで、「-、±、+、++」を判定する検査ではなく、検査室に持ち込んで顕微鏡で覗く検査がいいです。赤血球が出ていないかどうかをチェックするのです。

ちなみに、私のおじは膀胱ガンのために42歳で亡くなっています。若死にするときの無念さを目の当たりにしました。尿の検査は痛くもかゆくもないですので、できれば1年に2~3回は実施してほしいものです。

ところで、一日に何回くらい排尿しているでしょうか?4~5回という人もいますし、8~10回という人もいます。普通は、6~8回というところです。
1日の尿量は、通常1500ccです。膀胱に200ccの尿がたまると尿意をもよおしますので、1日に6~8回の排尿回数というのが妥当です。人体から外に排出される水分としては、汗腺を通じて出る汗があります。だらだらと激しく汗をかかなくても、自然に身体の表面から蒸発していく水分もあります(不感蒸泄といいます)。この汗や不感蒸泄で排出される水分は、通常1日に1000ccです。つまり人体は、尿と不感蒸泄を合わせて、毎日2500ccの水分を外に排出していることになります。

人は口から摂取したものだけを栄養源として生活しています。そして排出するのは、便と尿と汗しかありません。便は体内に吸収されなかった成分ですので、体内に吸収された栄養成分は、最終的には尿になって排出されることになります。この尿の色と量には、無意識のうちに注意する癖をつけてほしいものです。

尿の色が濃くなっているときは、体内の水分不足を予感してください。尿量が少なくなっていることも多いはずです。そのような場合は水分摂取量を思い切って増やしてください。「尿が濃くなっているから、300ccほどのお茶を飲もう」などでは少なすぎます。一気に1リットル以上の水分を取るのがいいです。
夏の暑い時期は、大量の不感蒸泄があります。当然、その分の水分摂取量を増やさなければいけません。増やし忘れると、身体は水分不足を起こし、その結果血液は濃縮され、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な健康トラブルへとつながっていきます。

やたらとたくさんの尿が出るというのも要注意です。喉の渇きも伴って、水をたくさん飲んでいるから尿も多いだけだ、と思ってはいけません。糖尿病が潜んでいることも多いのです。

尿に異臭が伴うことがあります。その場合は、尿路のどこかに感染が起こっていることがしばしばです。ニューキノロン系といわれる抗菌剤を内服するとすぐに治ります。

「電車に乗ると尿意をもよおす」「書店に行くと尿意をもよおす」「船に乗ると尿意をもよおす」などの症状を訴える人がいますが、たいていは心因性頻尿といわれるものです。病気扱いするのも変ですが、精神安定剤が投与されることがあります。

日ごろの健康を守るという立場では、尿が濃くなっていることを軽く見てはいけません。「尿が濃くなっているときは、水分をたくさんとらなければいけない」くらいは、当たり前のように実践してください。

夜間覚醒とトイレへの往復

年をとると夜中に起きてトイレに行くことが増えてきます。腎臓は通常なら1時間に60ccの尿をこしだして膀胱に送り込みます。寝る前にたくさんの水分を摂取したりしない限り、膀胱には500ccくらいの尿を溜め込む余力がありますので、普通なら排尿なしで8時間以上はもつはずなのです。

年をとると下半身に水分がたまりやすくなります。起きているときは、重力に抵抗できず、両足の水分が上半身に戻りにくくなるからです。だから、年をとると足がむくんだようになるのです。横になると重力から解除され、下半身にたまった水分が全身に回り始めます。すると循環血液量が増えますので、膀胱は尿をたくさんこしだすようになります。その結果、膀胱がすぐにいっぱいになってしまい、夜中にトイレに起きるようになるのです。

なぜ年をとると下半身に水分がたまりやすくなるのでしょうか。主に二つの原因があります。一つは心臓の収縮力の低下です。加齢に伴い心臓の収縮力が低下して、下半身の水分を重力に逆らって上半身にくみ上げるだけの力が出せなくなっているのです。もう1つは、足の深いところにある太い静脈の弁不全です。深部静脈には、静脈内の血液が逆流しないように弁がついています。加齢に伴い、この弁が壊れるのです。弁が壊れた結果、下腿静脈瘤ができる人もいます。弁が壊れると逆流が生じますので、下半身の水分を上半身に送り込みにくくなります。

メディカルサロンでは、「気力、体力、容姿を若返らせる」を目的として、成長ホルモンをしばしば利用しています。舌下投与型のスプレーを使用するのです。この成長ホルモンを使用していると、「夜中にトイレに起きなくなりました」という人が多く現れます。おそらく、心臓の収縮力の衰えをカバーする作用があるのだと思います。

さて、ここで軽く見てはいけない重要なお話をします。眠っている場所からトイレまでのルート、道筋です。

このルートに段差があってはいけません。階段があるなんていうのは論外です。足元に引っかかるものが置いてあるのもいけません。起きてトイレに行く途中に転んでしまい、骨折したきり身体が不自由になってしまう、あるいは、一気に植物人間になってしまうなどというケースがとても多いのです。寝所からトイレへの道筋は、決してトラブルがないように整備するようにしてください。

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院長:風本真吾

略歴

平成元年 慶應義塾大学医学部卒業
2年間研修医を経て同医学部内科大学院へ
平成4年 四谷メディカルサロン(現四谷メディカルクリニック)開設
現在に至る