健康管理学 十勧

6時間30分以上の連続睡眠をとり、起床時に疲労感がないこと

心の奥に不安が潜み、それに関する思いが増えると、人は睡眠状態が悪くなります。寝付けないという現象も出てきますし、夜中に何度も目を覚ますという現象もしばしばです。何かの緊張感があるときもそうですし、ストレス、プレッシャーがある時もそうなります。また、次の日に楽しみにしていることがある場合も眠れなくなることがしばしばです。

睡眠を思うようにとれていない状態を睡眠失調といいます。

レム睡眠とノンレム睡眠

睡眠には睡眠周期というのがあります。ノンレム睡眠という深い眠りとレム睡眠という浅い眠りが交互に訪れるのです。

寝付いたら約1時間かけて眠りは深くなっていきます。1時間後に深さのピークを迎えると徐々に浅くなり、2時間後には最も浅い状態のレム睡眠を迎えます。レム睡眠は、REM睡眠と書きます。「REM」とは、rapid eye movementの略で「目が素早く動いている」状態です。レム(REM)睡眠の時に外から瞼を開けると眼がぴくぴくと素早く動いています。ノンレム睡眠では、左右にゆっくりと動いています。
寝付いた後、約2時間後に迎えるレム睡眠はわずかに5~15分ほどです。またすぐに眠りが深くなっていきます。今度は45分かけて深さのピークを迎え、また浅くなり、1時間30分後に最も浅いレム睡眠になります。そこでまた、このレム睡眠を5~15分ほど送ります。以後は1時間30分の周期でノンレム睡眠、レム睡眠を繰り返します。

物音に驚かされたり、揺り起こされたりしない限り、人はレム睡眠のときに目を覚まします。自然覚醒はレム睡眠の時に限るのです。夜中にトイレに起きることもありますが、尿意を感じてパッと目を覚ますのは、レム睡眠の時に限ります。

寝付いてから1時間後、つまりノンレム睡眠の真最中に揺り起こされたりすると、どうしようもない疲労感を感じます。体調最悪、という感じです。ノンレム睡眠中に目を覚ますと体調不良をきたすのです。

朝、目覚まし時計が鳴って起床する時でも、目が覚めてスッと動けるときと、しんどいという感じですぐには動けないときがあります。ノンレム睡眠中に目覚まし時計が鳴ると起きるのがつらく、レム睡眠中に目覚まし時計が鳴ると起きるのがラクなのです。ノンレム睡眠中に目を覚ますと自律神経の失調をもたらすこともあり、心筋梗塞などの思わぬ健康トラブルに出くわしてしまいます。

睡眠周期は、最初の2時間が1単位、その後は1時間30分ずつで1単位です。4単位が終了するのは、6時間30分後です。3単位が終了するのは5時間後です。5単位が終了するのは8時間後です。これに個人差による微調整が必要ですが、目覚まし時計をセットする時は、できる限り、自分の睡眠周期を把握して、レム睡眠中に目覚まし時計をセットできるようにしてほしいものです。

しっかりと6時間30分は眠る

さて、人はどれくらいの睡眠時間をとるのが適切なのでしょうか?

発育中の子供はたくさん寝て、年をとるとだんだん睡眠時間が短くなってくることには、経験的に気付いています。年をとっても4単位6時間30分眠りつづけることを目標としてください。働き盛りの時は何が何でも6時間30分は連続的に眠るようにしてください。睡眠時間を短くしすぎると、心筋梗塞や脳梗塞の思わぬ健康トラブルに出会うことになります。

では、受験戦争を戦っている学生はどれくらい眠るべきなのでしょうか?これも6時間30分です。1日の睡眠時間を3時間にして受験戦争を戦った、というのは美学でも何でもありません。睡眠時間を短くすると脳疲労が残りますから、脳の活動の効率性が低下します。効率性が低下した脳みそで学業の戦いを展開できるはずがありません。私は受験時代に赫々たる成績を残してきましたが(それこそ全国模試で1位もとっています)、少ない睡眠時間で頑張ったなどということは決してありませんでした。夜の睡眠以外に仮眠も活用しながら、脳の調子、効率性を常に整えていたものです。ただし、受験生の習癖として、周囲には「ほとんど眠らないで勉強したよ」などと嘘を語っていたことはあります。

しっかりと6時間30分は眠る、というのは徹底してほしいものです。

睡眠失調はなぜ生じる?

なかなか寝付けないという人もいます。睡眠薬に頼ることもしばしばです。全国の上場企業の社長の半数が睡眠薬を使用しているというデータもあります。睡眠薬を使用するということは、眠れないことを苦痛と思っているか、健康にとってのリスク状態であることを認識しているからです。眠れないまま朝を迎えるよりも、睡眠薬を使用して眠った方が身体のためにはプラスです。寝つけるけど夜中に目が覚めるので睡眠薬を使っているという人も大勢います。

寝付けない、夜中に目が覚める、などの睡眠失調はなぜ生じるのでしょうか。答えは、「運動していない」からです。
人といえども、元は動物です。動物は筋肉の疲れをとるために睡眠をとるのです。筋肉が疲れなければ、睡眠は必要なくなります。睡眠により筋肉の疲れを癒し、人の場合はそのついでに脳疲労をとるのです。筋肉が疲れていないといい睡眠はとれません。脳ばかりが疲れている状態は、いい睡眠がとれない状態と思ってよろしいです。

ではどれくらいの運動をすればいいのでしょうか?週に2~3回、1~2時間のスポーツジムに通っているというのではまったく不足です。動物が餌を求めて、朝から晩まで(あるいは夜行性の場合は夜中ずっと)動きまわっているのと比較してください。圧倒的な運動不足(=筋肉疲労の欠如)が、睡眠失調を招き、睡眠薬を頼る原因となっているのです。「いつも眠れない」と言っている人が、朝から夕までカートを使わずに2ラウンドくらいのゴルフをすると、とんでもなくよく眠れてしまいます。
睡眠状態がよくない、と思っている人は、この「運動不足からくる筋肉疲労の欠如」をいつもイメージするようにしてください。

いい睡眠をとり 爽快な起床を

いい睡眠をとり、タイミングよく目を覚ますと、起床時には爽快感が伴います。もし、この爽快感がなく、起床して動き出すのが億劫(おっくう)なときは、「あれ、もしかしたら軽いうつ状態かな」と連想してください。「うつ病」といえるほどのものではないですが、「軽いうつ状態」であることが多いのです。「軽いうつ状態」を馬鹿にしてはいけません。人生を楽しめるか、楽しめないかの分岐点になるといっても過言ではないのです。

この軽いうつ状態の時は、簡単な治療で回復することができます。病気の治療を主たる業務としている一般の医師には不得意な分野ですが、健康管理指導を専門に行っている医師にとっては得意な分野ですので、メディカルサロンに相談してみるのがよろしいと思います。

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