筋肉の機能保持…たった4~5日で身体は変身する

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風本真吾の健康談話

筋肉の機能保持…たった4~5日で身体は変身する

身体を動かすときは、筋肉を使っています。骨を取り囲む筋肉は、それぞれがタイミングよく「縮む」という操作をするだけで、全身を細かく動かすことができるのです。
筋肉は積極的に「伸びる」という動きはできません。骨の反対側の筋肉が縮んだ時に、自己側は伸びるのです。 
年とともに筋肉の活動能力が衰えてきます。テレビで活躍するようなスポーツ選手は、20~30歳代あたりに筋肉活動能力のピークがあるのは間違いありません。しかし、50歳を超えた場合でも、簡単に衰えるものではなく、ほぼ横ばいが可能です。今回は、横ばいを維持するためのキーになるお話をします。

年とともに運動時に「息切れ」をするようになり、そのために運動を控える人がいます。しかし、「息切れする身体」からは、たった4~5日で脱却が可能です。

筋肉が「縮む」という操作をする時には、エネルギーが必要です。その直接のエネルギー源は、「ATP」という物質です。正式には、アデノシン3リン酸と言いますが、皆さんはATPと覚えてください。

ATPの産生場所は、細胞の中のミトコンドリアという器官です(図1)。細胞内でブドウ糖や脂質が分解されると「アセチルCoA」という成分ができます。アセチルCoAがミトコンドリアに取り込まれると、酸素を取り込みながらある一連の化学反応が起こります(クエン酸回路)。この結果、産生されるのがATPです。ATPを産生するためには、アセチルCoAと酸素が絶対に必要なのです。

さて、ATPを産生するための化学反応であるクエン酸回路は、その化学反応を推し進めるために多くの酵素を必要とします。その酵素が順調に働くかどうかは、「日ごろから鈍(なま)っている」「日ごろから活動している」の差が極端に出るのです。ここ数カ月ほとんど運動していないという人は、ATPを産生するための化学反応回路(クエン酸回路)の反応速度が極端に衰えています。
ATP産生能力を失った筋肉は、ただの肉の塊です。自分の身体が肉の塊にならないためには、ATP産生能力の回復が必要です。どうすればいいのでしょうか?

答えは簡単です。とにかく走ること。いわゆるジョギングです。
フィットネスの設備やトレーニングジムなどは全く必要ありません。ダンベルやエアロバイクなどの購入も必要ありません。ウェアとシューズを身につけて、ただ走ればいいのです。コンクリートの上を走る場合は、シューズにはこだわってください。
ここ数カ月以上、めったに走ったことがないという人がいます。今回は、そんな人のための談話です。次のようにすれば、たった4日で回復します。

1日目。極端に運動不足だった人は、200~500メートルで構いません。どんなに短い距離でもいいですから、準備運動をしたらとにかく走り出してください。ゆっくりでいいです。
運動不足だった人は、ほんの数十メートルでもう息切れがしてきます。この息切れは、年をとったからではありません。20歳代でも数か月以上の極端な運動不足があれば、ほんの数十メートルのランニングで息切れするのです。
これは、前述したミトコンドリア内でのATP産生メカニズムがなかなか稼働しないため、体内があっという間に酸欠状態になることにより起こります。息切れがしたら、走る速度を落として、ほんの100~200メートルほど前進してください。そのあとは、呼吸を整えながら歩いて、初日はそれで終了です。それ以上気張る必要はありません。

2日目。とにかく走り出してみてください。全然違う身体になっています。前日のわずかな距離の一走りで、体内のATP産生メカニズムが稼働するようになっているのです。息切れするまでかなりの時間がかかり、「あれ、昨日と全然違うぞ」が実感できます。
しかし、2日目もまだ気張ってはいけません。ゆっくりと1~1.5km走れば十分です。ただし、最後に坂道を軽く登ってください。坂道がなければ、階段を20~30段上るのでもいいです。そのあとは呼吸を整えるために歩いてください。

3日目。多少アップダウンのあるコースを選んでください。距離は2日目と同じ1~1.5kmで十分です。上り坂は、わざとゆっくり走ります。平地、下り坂はマイペースです。走り終わったら呼吸を整えながら歩いてください。

さあ、この3日間で身体は驚くほどよみがえりました。筋肉を使いだしたら、あっという間にATP産生回路は働き出します。しかも、筋肉中に酸素とATPのストックがたくさんできています。
4日目からは、3~4km以上走っても身体はびくともしなくなっています。そして、自然に「動き出したい」という気持ちが芽生え、動くのが億劫だと思っていた5日前とは大違いの身体になっているのです。

このように、たった4~5日で身体を大変身させることができます。ポイントは、初日に200メートル余りでもいいですから、とにかく走り出すこと。身体が鈍っているなと思う人は、すぐに実践して「ただの肉の塊」から脱却してほしいものです。ただし、膝が痛い人などは、別メニューになりますので留意してください。

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院長:風本真吾

略歴

平成元年 慶應義塾大学医学部卒業
2年間研修医を経て同医学部内科大学院へ
平成4年 四谷メディカルサロン(現四谷メディカルクリニック)開設
現在に至る