「チクチク痛い」の新考察

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風本真吾の健康談話

「チクチク痛い」の新考察

「息切れする」「疲れる」「目が見えにくい」「眠れない」など、人体は様々な不調・症状を呈します。「素早く動けなくなった」「関節が固くなった」「しわが目立ってきた」「精力が衰えた」などの加齢に伴う症状は、ほとんどの人に現れますが、それを気にしている人がたくさんいます。「何の症状もない」という身体状態は、万人が望んでいることでしょう。

さて、症状の中でも「痛い」という症状は特別扱いになります。打撲や骨折など、明らかな原因があって「痛い」というものもありますが、原因がすぐにわからない「痛い」には不安が伴うからです。
みぞおちのあたりが痛ければ「胃ガンかもしれない」、頭が痛ければ「脳腫瘍かもしれない」「くも膜下出血」かもしれない」、背中から腰が痛ければ「膵臓ガンかもしれない」、胸が痛ければ「心筋梗塞かもしれない」という不安です。不安になると、なぜか痛みが増強して感じられます。

指の関節が痛むリウマチや、膝が痛む変形性膝関節症などは、「常に痛い」「長期間、痛い」という状態になりますので、治療のための医学研究が進みます。また、激しい痛みが数日続く痛風発作なども医学研究が進みます。
しかし、「チクチクッと一瞬痛むけど、いつの間にか消えていく」という痛みに関しては、原因不明のままにされることが多く、医学研究が進みません。
健康管理指導の現場において多く聞くのは、「膝がチクチクッと痛むけど、数十分ですぐに治る。それが時々ある」や「アキレス腱のあたりがなぜか痛む。でも、数十分後には忘れている」というものです。この原因は何でしょうか?

私は自分の身体を調べるために、時々採血をしています。
先日、朝起きて歩き出した時に「アキレス腱に原因不明の痛み」を感じました。捻挫したり、打撲したりしたわけではなく、思い当たる原因はありません。しかし、変に気になる痛みでした。「そういえば、アキレス腱に痛みを感じる」という人が時々いるなあと思いながら電車に乗ると、職場に着くころには痛みはなくなり、アキレス腱のことはすっかり忘れていました。
そこで採血したのです。結果は・・・。何と驚くことに、尿酸値が9mg/dlを超えていたのです。日ごろから、私の尿酸値が高いことは知っていました。だいたい、いつも7mg/dl強の数値でした。一般的に、「尿酸値が7mg/dlを超えている人は痛風発作に注意しましょう」と言われますが、実際には7mg/dlを超えていても、発作を発症しない人が大半なので、「強烈に痛む痛風発作を一度でも経験したら、尿酸値を下げる薬を内服するようにしましょう」と指導します。私は痛風発作未経験者でしたので、尿酸を下げる薬は内服していませんでした。
そして、その直前の食生活を思い出してみました。四谷三丁目に美味しい比内鶏を食べさせてくれる焼き鳥の「今井屋」があります。そこで私は白レバーをたくさん食べ、ビールを飲んでいました。「そうか、自分の身体はレバーをがっつり食べて、ビールを飲むと、こんなにも尿酸値が上がる身体だったのだ」と初めて認識しました。そして、「ハッ」と思い出したのです。あの日のアキレス腱の痛みは・・・。

痛風発作というのは、赤く腫れあがった激しい痛みを特徴としています。足の親指の付け根、足首の関節、アキレス腱部、膝などに発症します。原因は尿酸の結晶です。血液中に高まり凝縮された尿酸が、関節部などで針のような結晶になって、その結晶によって強烈な炎症が引き起こされるのです。
医学部では、「痛風発作は激しい痛みを特徴とする」と学んできました。だから、医師は、軽くチクチク痛むような痛風発作はないものと思い込んでいます。私も、そう思っていました。
しかし、いつの間にか消失し、忘れてしまう、このチクチクした痛みを解釈するには、「尿酸がわずかに結晶になって、炎症を起こしそうになり、痛みを出し始めるけれども、激しい炎症になる前に自然と結晶が溶けていく。だから、いつも間にか痛みもなくなり忘れてしまう」という状態になる場合もあるのだと思えば、ストレートにつじつまを合わせることができます。
その結果、「痛風のプチ発作というのが存在するのかなあ」という仮説を考えるに至りました。そして、過去に「身体のどこかがチクチクと痛む」と訴えた人のカルテを引っ張り出してきて、血液データを見ていきました。すると、案の定、日ごろの尿酸値が、6~7mg/dl前後の人たちばかりでした。
「そうだったのかあ」
実に晴れ晴れとした気分になりました。別件で、私は7~8年前から「ときどき膝の痛みを感じるけれども、自然に治っていく」という現象を感じていたのです。自然に治るので、軟骨の衰えからくる変形性膝関節症ではなさそうだ、とは思っていました。「ひねった」などの思いあたりがないのに痛みが出てくるので、実に不思議な気分だったのですが、あれも痛風のプチ発作だったと思えばすっきりと納得できます。

「プチ痛風発作」

新しい疾病概念の誕生です。今後、検証を進めたいと思います。
「心臓のあたりがチクチク痛む。調べても心臓に異常は見つからない。そして、いつの間にかその痛みを忘れる」という相談がよくあります。それももしかしたら、プチ痛風発作なのかもしれません。
「脇腹の肋骨あたりがチクチク痛むのです」という患者の訴えに、「神経痛でしょう」と答える医師は多いと思います。しかし、これもプチ痛風発作かもしれません。

このプチ痛風発作は、「いつの間にか治っていく」というのが特徴です。尿酸値というのは、前後の食事次第で急上昇するようです。「チクチクする痛みで、いつの間にか消えていく痛み」を感じたときは、前後の食事を思い出してみてください。尿酸のもとを多く含むのは、肉類、内臓類、ビールです。特に、モツと呼ばれる内臓肉や、レバー、ビールには多く含まれています。これらを食べすぎていなかったかを思い出すことで、気分もすっきりすると思います。

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院長:風本真吾

略歴

平成元年 慶應義塾大学医学部卒業
2年間研修医を経て同医学部内科大学院へ
平成4年 四谷メディカルサロン(現四谷メディカルクリニック)開設
現在に至る