花粉症と私

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風本真吾の健康談話 vol.45

花粉症と私

私は重度の花粉症患者です。2月の末になってくると、外に出た瞬間、目の痛みと大量の涙、そしてその涙が涙管を伝わって鼻に流れ込み、大量の鼻水になります。くしゃみもひどく、とても外出できたものではありません。
花粉症の症状があまりにも辛いので、一人住まいの私のマンション(60平方メートルほど)には、7台もの空気清浄機を設置しています。それくらい設置しても、突然瞼が痛くなることがあります。衣服についた花粉を持ち込んでしまうのでしょう。

その季節になると、私はすかさず、注射を打ちます。この注射を打つと症状はぴたりとなくなります。1~2か月はほぼ無症状で過ごせます。ケナコルトAという副腎皮質ホルモン剤の注射です。劇的に効くとは、この注射のことでしょう。私は、その注射液のアンプルをしげしげと見つめながら、感謝の気持ちでいっぱいになることがあります。

私が初めて花粉症の症状を感じたのは、大学4年生の時でした。信濃町の校舎に向かう途中、「目がチクチクしていたいなあ」と感じたのが最初でした。その時、自分では花粉症であるとは全く思っていませんでした。当時はまだ、花粉症の概念が広く行き届いていなかったと思います。風が強い日に、目にホコリが飛び混んでくるなあ、くらいの認識でした。
学生時代の発症当時は、それほどひどい症状ではありませんでした。悪化していく感じもありませんでした。「春になったら外出中に目が痛い」というだけでした。
そして、平成元年に医師になったわけですが、その後の5~6年間、花粉症の症状が出た思い出が全くありません。花粉症の症状が消滅していたのです。当時の生活を思い出してみました。

医師になって最初の2年は、朝7時から翌11時まで病院にいました。休日はなく、夜中でもポケットベルが鳴ったらすぐに駆け付けるのが当たり前でした。当時は、完全主治医制とでもいうのでしょうか、「自分が担当する患者は、当直医などに任せてはいけない。深夜だろうが、自分が外出中だろうが、すべて自分が駆け付ける」という仕組みでした。入浴は一瞬で済ませ、食事も数分で終える、という毎日でした。いつも心は緊張していました。
床屋で髪の毛を切っている最中にポケットベルが鳴って、病院に駆け付けたこともありました。家で寝ている夜中にポケベルで起こされて、「先生の担当の患者さんが吐血しています」と言われ、病院に駆けつけ、吐血している患者の治療に取り組んで、その旨をカルテに書き込んでいたのに、次の日、そのカルテを見て、「えっ、これオレの字だ。オレ、昨日こんなこと書き込んでいたの」と大騒ぎした思い出さえあります。「オレは、昨夜どうしていた?」と周囲に聞くと、「先生、昨夜は、普通に治療していましたよ」と言われて、「????」の気分になったことさえありました。
そのころの5~6年、花粉症は全く発症しなかったのです。ストレス、精神的緊張が強いと花粉症は発症しないようです。

そして、平成7年、慶応病院をさることになり、自分のクリニックに集中することになった春3月、すさまじい花粉症の症状が現れたのです。最初は抗アレルギー剤の内服薬で対処していました。薬がよく効いていたように思います。しかし、最初だけでした。翌年は猛地獄でした。

その頃、近所のレストランのシェフが、「花粉症は、注射一発で治るのだってね」という話をしていたのを聞き留めました。「えっ、それどういうこと?」と詳細を聞いても、「いや、栃木県のどっかの病院がやっているそういう注射があるそうだよ」としか答えませんでした。

注射一発で症状がなくなる。そんな話を聞いたら、花粉症で苦しんでいる私は、「それは何だ。見つけ出してやる」という執念にかられます。
一発で症状を抑えられるのなら、おそらくステロイド(副腎皮質ホルモン剤)だろう、という予測はありました。幸い、私は、大学病院でステロイドを使う治療は、莫大な経験を積んでいたので、どれくらいの量を打てば、どうなる、というギリギリの線は、明確にイメージすることができました。経験の乏しいドクターは、副作用が怖い、と恐れるだけです。
プレドニンという薬をまずは内服してみました。自分の身体で実験するのです。副腎皮質ホルモン剤は、投与し始めたら漸減しなければいけない、などのガイドラインがありますが、私自身がこの薬の達人になっていますので、突然に投与を中止してもいいラインは把握しています。プレドニンは全く効きませんでした。

「理論通りいかないものだな」と思いながら、次は注射薬を試していきました。同じく花粉症で悩むスタッフがいましたので、彼の身体でも実験させてもらいました。どれも効果出ません。順に試しているうちに、ケナコルトAの順番になりました。
この注射を打つと、すぐに楽になった感じがして、その日の夜にはぴたりと症状がなくなりました。「これだ!!」と、探索は完了したのです。

さて、そこで次の疑問がわいてきます。「他のステロイドでは効果が出ないのに、なぜ、ケナコルトだけ効くのだろうか?」という問題です。免疫抑制だけで、効果が出るのなら、どのステロイドでも効くはずです。ここは仮説を立てなければいけません。

一本の注射薬の免疫抑制効果が1~2カ月も続くはずがありません。1回の注射をした瞬間に、体内に何かの反応が起こり、その反応のために、花粉症のメカニズムが消滅するのだ、という仮説を普通に考えることになります。
そういえば、花粉症注射を打っても、1~2か月後に症状が再発しますが、その再発の順序は、学生時代の発症から徐々に重くなっていった私の約10年を短期間に凝集させたような順序になります。この再発の仕方は、その仮説を支持しているように思えます。

花粉症メカニズムはまだまだ未知のことが多いのが実情です。日本の医師の皆さんは、「ステロイドは、副作用が強いから駄目だ」などと否定しているようですが、目の前で生じている事実的現象から解明を進めるのが医の本質ですので、その原点に立ち返って研究してほしいものだと思います。

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四谷メディカルクリニック
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院長:風本真吾

略歴

平成元年 慶應義塾大学医学部卒業
2年間研修医を経て同医学部内科大学院へ
平成4年 四谷メディカルサロン(現四谷メディカルクリニック)開設
現在に至る