脂肪細胞の知識

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風本真吾の健康談話 vol.43

脂肪細胞の知識

20歳の時の体重と今の体重を比べてみてください。同じ体重の人もいますが、たいていは増えています。増えた分は、ほとんどが脂肪です。内臓や骨が大きく重くなることは、通常はありません。よほどトレーニングで鍛えている人は筋肉が増えていることがありますが、そうでない人が大半で、結局、脂肪が増えているのです。

脂肪は、内臓脂肪と皮下脂肪に分けられることが多いようです。腸の周囲につく脂肪が内臓脂肪、皮膚の直下につく脂肪が皮下脂肪です。脂肪細胞はエネルギーを貯蔵する細胞にすぎませんが、内臓脂肪の方は健康に悪いといわれています。確かに、糖尿病、高脂血症、高血圧などを調べると、内臓脂肪が多い人は、発症率が高くなっています。一方、医学的には、褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞という全く異なる分け方があります。褐色脂肪細胞が減ってくると、食後の体温上昇がなくなり、代謝が低下します。加齢に伴い、褐色脂肪細胞が減り、また、活性度も低下しますので、結局、「年をとると、同じ量を食べても体重が増えてしまう」ことの原因となります。わかりやすく言えば、「年をとると代謝が低下するというが、それは褐色脂肪細胞の機能低下による食後の体温上昇がなくなるから」ということになります。
褐色脂肪細胞の機能低下を回復させるには、ミネラルのクロムが役立ちます。クロムを摂取していると、食後の体温上昇が回復していることに気づきます。

さて、脂肪細胞は、血液中に放出する物質がいくつか知られています。それらのうち、レプチン、アディポネクチン、PAI-1の3つを覚えてください。

レプチン

レプチンは、食欲抑制物質です。食べ過ぎて脂肪が増えてくると、脂肪細胞から分泌されるレプチンが増えてきます。そのレプチンが脳に働いて食欲を抑えてくれるので、太ることに歯止めがかかります。
とんでもなく太っている人を調べてみると、このレプチンの作用が欠けている、ということがときどきあります。つまり、遺伝かその他の影響で、脂肪細胞からレプチンが放出されない、あるいは、放出されてもそのレプチンを脳細胞が受け止めない、という状態です。
このような場合は、食欲抑制のための方法を考えることが治療になります。診療現場では、食欲抑制剤を利用します。

アディポネクチン

アディポネクチンは、「百寿ホルモン」と言われています。100歳を超えても頭がさえている人のうち、90%以上は、アディポネクチンが非常に高い数値をとっていた、という研究データがあります。
脳機能が低下すると、脂肪細胞からアディポネクチンが分泌され、脳機能の低下をカバーするのでしょう。だから、アディポネクチンの分泌に余力がある人は、頭がさえている状態が高齢まで続くのです。アディポネクチンは、もともと脳細胞が糖を取り込む時に働きますので、脳機能の維持には絶対に必要です。なお、アディポネクチンが低すぎると、脳での糖の利用が進まず、血液中に糖がだぶつくので、糖尿病になりやすいことも知られています。
アディポネクチンを高めるには、明日葉のフラボノイド成分であるカルコンが有名です。カルコンは、もともと脂肪細胞の隙間に毛細血管を増生させて、脂肪への血流を改善することが知られていましたが、その結果、脂肪からのアディポネクチン分泌を高めてくれるのです。明日葉料理を積極的に食べるか、カルコンのサプリメントを使うことは、ダイエットのためだけでなく、認知症予防にも価値あることなのです。

PAI-1

PAI-1は、血管内で血の塊、いわゆる血栓ができる時の最終段階で働く成分です。PAI-1が高いと、「いつ心筋梗塞を起こしても不思議ではないですよ」というサインになります。PAI-1は、内臓脂肪が増えると上昇してしまいます。

以上のことを、脂肪細胞に関する知識として覚えておいてください。

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四谷メディカルクリニック
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院長:風本真吾

略歴

平成元年 慶應義塾大学医学部卒業
2年間研修医を経て同医学部内科大学院へ
平成4年 四谷メディカルサロン(現四谷メディカルクリニック)開設
現在に至る