コレステロールの真偽と功罪

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風本真吾の健康談話 vol.33

コレステロールの真偽と功罪

コレステロールが発見されたのは1700年代の後半、フランス革命が起こる前のことです。以後、長い研究の歴史の中で、人体の細胞膜を構成する成分として、また体内の調節機構に深く関与するステロイドホルモンの原料として、重要な役割を果たしていることが知られました。
しかし、1960~70年代に、健康管理学上の問題として取り上げられるようになります。コレステロールを下げる薬が開発されたのが1980年代。それ以後、コレステロールについては、薬だけでなく、食品とも密接に関係しているがゆえに、商業上の利益や不利益が絡み、真偽が入り交じった情報が乱れ飛び続けています。
ここで、コレステロールの真偽と功罪を考えてみたいと思います。

「食生活の内容でコレステロール値は変動する」は、絶対の真実である

「食べるもの」「食べる量」によって、コレステロールは変動します。牛、豚の脂身、乳製品を摂ると、コレステロール値は上昇します。また、食べ過ぎて体重が増えてくると、たいていコレステロール値は上昇します。一方で、粗食になって栄養不良状態になるとコレステロール値は低下します。
食生活の内容によって、コレステロール値が変動するのは確かな事実です。

「コレステロール値は、180~240mg/dlの平均寿命が長い」も真実である。ただし、女性では、高齢になって240mg以上あっても、平均寿命は短くならない

ある食生活の結果、コレステロールが240mg/dl以上になっている場合、そのコレステロールそのものが原因なのか、あるいは、元の食生活が原因なのかは不明ですが、とにかく心筋梗塞の発症率が高まり、死亡率は上昇します。
コレステロールが180mg/dlより低い場合、これまた死亡率は上昇します。広範な調査研究の結果ですが、この結果は、コレステロールが身体の構成成分として重要であることを物語っています。
日本の循環器病学会は、「220mg/dl以上は危ない」と喧伝していますが、それは商業的な思惑をバックに持った「煽り」というものです。これに関しては醜い話になりますから、これ以上は語りません。
女性の場合、閉経後は自動的にコレステロールが高くなります。300mg/dlくらいになっても、心配する必要はありません。

「コレステロールを薬で下げれば、平均寿命は長くなる」は、偽りである

1980年代後半に、コレステロールを下げる薬(スタチン系薬剤)が開発され、瞬く間に世界の先進国に広がりました。そして、薬でコレステロールを下げたら死亡率が低下したという研究データが相次いで発表されることになります。
しかし、2004年、それらの研究データを作成した研究委員の9割がコレステロールの薬(スタチン系薬剤)の製薬会社から利益供与を受けていると判明、それに対する罰が設けられ、利益供与を受けている研究者が委員会から駆逐されるという事態が起きました。すると以後は、コレステロールの薬を内服しても死亡率は変わらなかった、もしくはかえって死亡率が高まった、という調査研究データが相次いだのです。
それどころか、隠されていた副作用率の高さが露見しました。睡眠不調、記憶力低下、筋力低下など、「年をとったから、そうなったのでしょう」と言われていたものが、スタチン系薬剤の副作用であったことが判明したのです。

「コレステロールが180~240mg/dlに設定できる食生活を営めば、寿命は長くなる」と言えば真実かもしれない

食べ物の種類、食べる総量を工夫して、体重管理も行き届き、コレステロール値が180~240mg/dlになるようであれば、ほどよい食生活を営んでいることになる、と言い換えれば、「寿命は長くなる」それは真実であろうと思います。

コレステロールの功罪

食生活、特に脂肪摂取の問題が病気の発症と連動しているのだよ、ということを教えてくれるのが、コレステロールの大きな価値です。
「コレステロールが高すぎるなら、食生活の何かを間違えている。なんとかしなさいよ」と注意喚起してくれることの意義は大きいです。
一方で、食成分との関係が周知されたことにより、乳製品業界や畜産業界、健康食品業界からは利益誘導のための誤情報、偽情報が発信されるようになりました。それにまどわされてはいけません。
また、コレステロールを下げる薬が開発されたことによっても、コレステロールは、大きな罪を犯しています。その業界から利益を得ている科学者たちから発信される、過剰な恐怖心をあおる情報です。「220mg/dl以上は危ない」はその一例です。恐怖心から薬を飲むようになり、知らず知らずのうちにその薬の副作用に蝕まれているのは不幸の極みです。
コレステロールが高いことによって病気を発症するという天然の罪は小さく、むしろ人の思惑が関与する人災的な罪が大きいのです。

予防医療、どうあるべきか?

コレステロールの薬の処方を健康保険適応にしていることが、コレステロールの罪の根源です。保険適応にしなければ、患者側はいろいろ学ぼうとします。このページに記載した内容も一生懸命に読んでくれて、自己の身体を管理するベストチョイスを考えてくれるでしょう。「コレステロールの薬を飲まなければ早死にしてしまう」という洗脳から脱却できる人も現れるはずです。
その結果、「コレステロールを生活の改善で下げる」ということを目的として、食品開発やダイエット指導、フィットネスなどで一大産業が芽生え、健康管理指導を目的とする自由診療の医師も活躍の場を得ることができます。

予防医療の分野は、薬を処方するという単純発想しかできなくなっている健康保険の医師に任せておいてはいけないのです。

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院長:風本真吾

略歴

平成元年 慶應義塾大学医学部卒業
2年間研修医を経て同医学部内科大学院へ
平成4年 四谷メディカルサロン(現四谷メディカルクリニック)開設
現在に至る