風本真吾の健康談話

栄養素と医薬品

栄養素と医薬品

三大栄養素といえば、炭水化物、タンパク質、脂質ですが、私たちはそれ以外にもいろいろな成分を口から摂取しています。
摂取しているものは、必ず何かの化学構造を持っていて、それらは栄養素と総称されます。繊維質も栄養素ですし、よく聞く大豆のイソフラボンも一種の栄養素ですし、コーヒーのカフェインも一種の栄養素です。栄養素は身体にいろいろな作用をもたらしています。
病気になったとき、私たちは薬を内服します。薬も何かの構造式を持っていて、身体に何らかの作用をもたらします。抗生物質や解熱鎮痛剤などは、内服したことがないという人はいないことでしょう。細菌を撃退し、痛みから解放してくれるので、ありがたい限りです。しかし、薬は栄養素とは表現されません。
長い年月の間に、日常の生活に定着し、常用されるようになれば栄養素と表現されるのでしょう。特別な製造工程を必要として、特殊性があれば医薬品になるようです。実際には、栄養素から抽出した医薬品もたくさんありますので、明確な区分けは難しいのかもしれません。

栄養素といえば「安全安心」、医薬品といえば「副作用に気を付けなければ」というイメージがあります。しかし、栄養素だからといつて、「安全安心」というわけではありません。私はタケノコを食べると、全身にじんましんが出てしまいます。俗的には、「タケノコにアレルギーがある」と表現されますが、タケノコの栄養素による副作用という表現も可能です。ただ、タケノコに薬効を期待しているわけではないですから、この表現には違和感があります。
では、薬効を期待して摂取すれば医薬品で、期待していなければ栄養素でしょうか?それもおかしな気がします。食生活と健康の密接なつながりは、いまさら指摘するまでもないこと、つまり、「日ころ食べている食物に健康に対する効果の期待がないこともない」ということです。

さて、面倒な話はやめて、私の健康管理指導の経験上、栄養素であるのに強烈な薬効が期待できるものをいくつか取り上げてみたいと思います。

アルギニン

まずは、何といっても「アルギニン」です。これは、タンパク質を構成するアミノ酸の一種で、日常の食生活で当たり前のように摂取しています。
このアルギニンを単独で多めに摂取すると、大きな薬効を期待することができます。その薬効を一言でいえば、タンパク同化作用、つまり、体内でタンパク質を作り出す作用が高まるのです。

身体の外から見える部分で、髪、爪、肌というのは、まさにタンパク質でできています。この合成能力が高まりますから、髪量が増え、爪が丈夫で速く伸び、肌質が丈夫な感じになります。皮下組織の弾力を作るコラーゲンの合成もタンパク同化作用ですから、肌の弾力が高まります。
身体の外から見えない部分で重視してほしいタンパク質が「抗体」です。身体の中に入ってきた網菌やウイルスをやっつけるあの「抗体」です。つまり、免疫力の増強が期待できるのです。
そして、骨が伸びることに関しても、タンパク質を作り出す作用がまず重要です。つまり、子どもの背を伸ばしてあげる上で役立つのです。

アルギニンは、もともと人体を構成する20種のアミノ酸の一つであり、日ころの食事でも一定量を摂取しているものですから、安心して多めに取ることができるのです。

アントシアニン

次の栄養素は、「アントシアニン」です。これは、フルーベリーから抽出される成分ですから、日ころ、ブルーベリーをたくさん食べる人は、それなりの量を摂取していることになり、安心安全のイメージが伴います。
このアントシアニンは、網膜の暗順応、明順応に関与する細胞の化学反応源です。消費され尽くすと、目が疲れ見えにくくなります。パソコン時代で、目を酷使する人が増えていますので、日常の何気ない飲食物で摂取したいものです。私は、このアントシアニンを含ませた青汁を皆様にお勧めしてきた経緯があります。

クロム

続いての栄養素は、「クロム」です。これはミネラルの一種で、日ころの食生活で、少量ならいつも摂取しています。レバーや貝類に含まれています。
ダイエッターにとって、このクロムは重要な意味合いを持っています。いくら食べてもやせている人、つまり「やせの大食い」の大元成分だからです。
「そんなに食べてないはずです」と思っているのに太ってしまう人、「ちよっと食べたら、すぐ太ってしまうのです」という人には、うらやましい限りですが、その秘訣は、クロムと反応する褐色脂肪細胞にあります。
クロムを毎日200~400μgほど摂取しておけば、「ちょっとやそっと食べても太らない身体」「やせたいと思った時にすぐにやせられる身体」を作り出すことができるのです。

その次の栄養素は・・・次々と出てくるのですが、今回はこの辺で終了します。前述のように、栄養素の一種であって、安全、安心、気軽に摂取できるのに、しっかりとした薬効的なものをもたらす栄養素を「第4栄養素」と名付けました。関連ホームページで、「第4栄養素」の連載をしていますので、そちらもご覧いただきたいと思います。

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