風本真吾の健康談話

日本的肉食文化・・・大腸ガン急増の原因と関係あるか?

大腸ガンで死ぬ人が急増しています。男性のガン死では、肺ガン、胃ガンに次いで3位ですが女性のガン死では1位です。
もともと、アメリカに移住した日系2世、3世の大腸ガン発生率は、世界で1位、2位を競っていましたから、食生活が欧米化すると日本人の大腸ガン死が増えるというのは、もう30年以上も前から予想されていました。すでに現実となっています。

それにしても、増えすぎです。女性の場合、発見が遅れるというのも原因の一つです。大腸フアイバーで定期的に大腸を調べようという意識が乏しいのでしょう。男性の場合は、発症年齢が著しく若年化しています。
もともと「大腸ガンは50歳以上に限る」と言っても過言ではありませんでしたが、極端な食生活欧米化の進行に伴い、40歳
代の発症が増えているのです。40歳代はまだ、大腸ガンを定期的にチェックしようという気持ちがありません。

食生活の欧米化というのは、青魚成分のEPAの摂取が減り、食用油系のリノール酸(→体内で、アラキドン酸になって蓄積される)の摂取量が増えることです。アラキドン酸は、血栓の原因になるだけではなく、大腸ガン、乳ガン、前立腺ガン、子宮体ガンのガン細胞増殖因子になります。
ここで注意してほしいのは、リノール酸(→アラキドン酸)というのは植物性脂肪で、牛肉、豚肉、鶏肉の脂肪分ではありません。脂肪摂取が増えたことによって、大腸ガンが芽生えた時の増殖は速くなりますが、ガン化することそのものに対して影響するのかどうかは不明なのです。
ガンで死ぬというのは、あくまで、「ガン化する→増殖する」の両者のステップが必要です。アラキドン酸体質化により、ガンの増殖が速くなることはあっても、ガン化そのものが増えるかどうかに関しては、確信が持てていません。
そこで、食生活の欧米化において、肉食そのものの日本の特徴、つまり、日本独自の肉食文化が欧米とどのように違うのかを検討する必要が生まれてきます。

「肉を食べるときは、野菜も食べなければいけないと思っている人、手を挙げて」
あるいは、
「肉を食べるときは、野菜も食べなさいとしつけられてきた人、手を挙げて」
とセミナーで、参加者に問いかけたとします。ほとんどの人が手を挙げるでしょう。
これが、日本における肉食文化の特徴です。肉を食べるときは、野菜も食べなければいけない。それが、習慣として染みつ
いているのが、日本的肉食文化です。

アメリカや∃―ロッパでは、肉を食べるときに葉物野菜を食べることがあまりありません。せいぜい、ニンジンやポテトが添えられているくらいです。ホウレンソウやアスパラガスが添えられていることもありますが、稀ですし少量です。
一方、日本で誕生した肉食文化といえば、しゃぶしゃぶ、すき焼き、トンカツを連想しますが、いずれも大量の野菜とセット
になっているのが特徴です。そして、われわれの習慣では、それらの野菜こそがおいしいという気分にもなっています。
もともと、牛肉を食べなかった日本においては、江戸時代末期に牛肉を食べるという文化を輸入した際に、なんとなく「野菜をセットにしなければいけない」という風習が芽生え、いつの間にか確信的になったのでしょう。
漬物文化を持ち、野菜類が多く食べられていた日本に、異質な食べ物が入ってきたのですから、「より野菜を多く」という気
分になったのは、何となく納得できます。日本的肉食文化は、肉と同時に野菜をできる限りたくさん摂取できるように取り計らわれる中で成長してきたのです。

大腸ガンが急増している原因を、ここにこじつけることは可能です。あくまで、「こじつけ」の推測ですが、十分に可能性がある推測を述べようと思います。
肉はタンパク質ですから、アミノ酸が豊富です。その形態の一つである二級アミンは由喜昌に含まれています。野菜を育てるための肥料の三大要素といえば、窒素、リン、カリウムです。このどれかが欠乏すると、立派な野菜に育ちません。当然、野菜を育てるときの化学肥料には、この三つが、豊富に含まれています。人が野菜を食べるとき、肥料の一つである窒素は、野菜の中では、硝酸塩として存在することになります。
硝酸塩を□に入ねると、唾液と混ざり合って亜硝酸塩になります。この亜硝酸塩が曲者くせもの)なのです。
胃の中で、肉の成分の二級アミンと、野菜成分の亜硝酸塩が出合うと・・・強烈な発ガン物質「二トロソアミン」が生成されます。このニトロソアミンの合成反応は酸性下でなされます。胃の中は、胃酸の影響で強い酸性になっていますので、ニトロソアミンかどんどん生成されるのです。
肉と野菜を一緒に食べてから30分余り経つと、血中のニトロソアミン濃度が上昇してくることが知られています。

さあ、困ったものです。「肉と野菜をバランスよく」としてきた食生活の指導が、裏目に出ていたということになります。
「肉と野菜を一緒に食べるな」と言われても、肉と野菜をバランスよく食べなけば健康に悪い」と脅されながら長年生きてきた人が、そんな話を急に受け入れられるはずがありません。その辺は、「コレステロールの薬を飲んでも平均寿命は変わらない」という世界的なデータが確定的になっても、「今さら、コレステロ―ルの薬をやめるのは不安だ」と思うのと同じです。
しかも、「日本人の大腸ガン発生と肉野菜の同時摂食」に関して、きちんとした研究データが完成するまで、今後数十年を要するでしょうから、現時点では仮説にすぎません。仮説のために食習慣を変えるのも、気味が悪いものです。

困ったものですが、メディカルサロンならではの名案がここにあります。
ビタミンCが共存すると、胃酸内でのニトロソアミンの合成が抑制されます。つまり、肉と野菜を同時に食べるとき、広く言えば、日本的な肉食を行うときは、「食中あるいは食直後」場合によっては「食前」にビタミンCを多めに摂っておけば、ニトロソアミンの合成は阻止され、害から身を守れるということになります。
そこで、私は肉食による過剰摂取力ロリーを体内の褐色脂肪細胞に消費させることも念頭に置き、食事の前後に「ビタミンC&クロム」を8粒摂取することにしました。念のためにしたことですが、好影響はあっても、マイナスになることはありません。
積極的な予防医療というのは、こういうことを言うのです。

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